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こんばんは
広島大学病院乳腺外科 金子です
もたもたしていて、なんと角舎先生に順番を追い越されてしまいました?
自分のブログ当番が今日だと思っており、昨日更新できませんでした。申し訳ありませんでした。
今日は乳腺外科ブログの記事としては2本目となりますが、私の記事もアップしたいと思います。
広島大学病院乳腺外科では週に一回、乳がん診療に関わる論文の抄読会（しょうどくかい）をやっています。
抄読会では、当番の先生が論文を読んできて、10分ぐらいで他の先生に内容をわかり易くかんたんに説明します。その後、論文の内容や診療上の疑問点などを議論するという流れです。ブログ当番のように、いつか当番が回ってくるのですが、近づいてくると本当に緊張します。
そろそろ、準備しないとな‥と思いつつ後回しにして、気づけば前日になっていることが多いです。（この習性は、こどものころからぜんぜん変わりません(;´д｀)ﾄﾎﾎ…
論文を選ぶところから勝負（？）は始まっています。
英語論文なので読むのに少し時間がかかります。なので、微妙な論文を選んでしまうと、読むにつれて「結局、何が言いたかったんだろう…。」とか、「新しい知見がない！！」とか、徐々に穴が明らかになってきます。そうすると、「違う論文を新しく探すか…。」と、本番前日深夜に途方に暮れることになります。
（こんなことになる前にはやく準備しとけばよいのですが）
学生時代から数々の失敗を繰り返して、最近やっとじぶんなりにコツが分かってきました?
自分の臨床上の疑問点の解決につながるような内容か、とにかく有名で立派な雑誌に投稿されているものを選ぶと、よい抄読会になることが多いみたいです。
ちなみに、論文はインターネット上でだれでも閲覧できるのですが、有料のものが多いです?
今回私が選んだ内容についてかんたんに説明させていただきます。
JAMA Oncologyという医学腫瘍学、放射線腫瘍学、および外科腫瘍学に関する学術雑誌に今年の9月に掲載されていたものです。
JAMA Oncologyは非常に有名で影響力のある雑誌です。
Association of Circulating Tumor DNA and Circulating Tumor Cells After Neoadjuvant Chemotherapy With Disease Recurrence in Patients With Triple-Negative Breast Cancer: Preplanned Secondary Analysis of the BRE12-158 Randomized Clinical Trial
タイトルですが、「術前化学療法後のctDNA（リキッドバイオプシー）でトリプルネガティブ乳がんの再発を予測する」というものです。
リキッドバイオプシーとは「血液生検」ともいいますが、血液中の腫瘍由来物質を調べる検査のことです。本論文では、血液中にある腫瘍由来物質（血中循環腫瘍DNAとか血中循環腫瘍細胞）をしらべて、術前化学療法後に手術も完遂した早期TNBC患者さんたちの予後を検討しています。
無料で公開されている範囲で説明しますと、
早期のトリプルネガティブ乳がん（TNBC）患者では、術前化学療法における奏効が再発に大きく影響することがわかっています。この論文では、血中循環腫瘍DNA（ctDNA）・血中循環腫瘍細胞（CTC）をリキッドバイオプシーで計測することによって再発を予測可能かということを、ある臨床試験のデータを用いて、196人の患者さんについて検討しました。
結論としては、血中循環腫瘍DNA（ctDNA）・血中循環腫瘍細胞（CTC）が検出された人は、無病生存期間、全生存期間が有意に短い傾向にありました。要するに、術前化学療法と手術を終えたあとに、乳がんが再発する可能性が高いということがわかりました。この結果は、術前化学療法後（NAC）後に腫瘍由来物質が血液中に残っていると、後々再発を来す可能性が高いということを示唆しています。
術前化学療法後のリキッドバイオプシーにより、高精度で再発を予測できることを明らかにしています。リキッドバイオプシーが陽性のTNBC患者において早期の介入が有効であるかを検証する、臨床試験が計画されているそうです。
腫瘍由来物質は、腫瘍マーカーよりも再発時の感度が高いとも言われていますので、将来的にはこれらが腫瘍の有無や活動性の指標になる可能性がありますね。
検診などでも期待されている分野です。
全然関係ないですが、以前撮ったお気に入りの風景です
どこかわかりますか？
広島大学病院乳腺外科
金子 佑妃
患者 ニンゲンは、ニンジンだけじゃ動かない。
いつもブログをお読みいただき、
いいねをいただき、ありがとうございます
前回7月末にブログを更新してから、
もう4ヶ月も過ぎてしまいました
前回術後1年半の検査で、
再発の可能性があると書いてから、
その結果のご報告が遅れてしまいました。
あれから、3ヶ月後（10月）の血液検査で、
腫瘍マーカーは更に上昇してしまい、
それでも再発転移ではないと信じて、
今月にPET-CTを受けました。
その結果・・・恐れていた再発転移でした。
骨転移 2か所
肝転移 2か所
「なんともなかったよ」なんてことにならないかなとか
ずっと考えていたのですが、結果は
悲しくて残酷で違ってました
乳がんと告知された時よりも辛かった。
骨転移１箇所は、元々あった肋骨のところで、
やはり最初からあったものだろうと
ステージ4だったと確定されました。
そして、反対側の肋骨にもう１箇所、
肝臓にはまだ症状が出ないくらいの
大きさの2箇所です。
本当に信じられないけど。
これから全身治療になるので、
乳腺外科から乳腺内科に変わることになり
抗がん剤の時の主治医は退職してしまっているので、
先生が変わることになりました。
今回は少しワガママを言い、
こういう先生がいいとお願いしました。
著名な先生で、先日初めて診察でお会いし、
丁寧に詳しく説明していただき、
とても頼りのある優しい先生で、
すごく安心しました。
私がお世話になっている病院は、
国内でがん治療トップクラスの病院だと思うので
こんな素晴らしい先生に診てもらえるなんてと
幸せに思っています。
「抗がん剤はできれば今はしたくない」と伝えたら、
「一番辛かったのはなんですか」と尋ねてくださり、
振り返ってみて、やっぱり考えてみると
脱毛が辛かったので、「脱毛です」と答えました。
「吐き気とかよりも？」と聞かれて、
何よりも一番に脱毛が浮かんだので、
私は一番辛かったんだなと改めて実感。
患者の気持ちを一番に考えてくださる先生で、
ずっと脱毛しない治療法を選んでもいいし、
今はまだいろんな治療法を試せる段階で、
抗がん剤は考えてなかったと言ってくださいました。
普通に元気に生活していたので、
「本当に？」という気持ちが強く、
ショックでショックで受け入れられなくて、
気持ちが動揺してしまい、
ずっと泣いてばかりいました。
でも、再発転移だと伝えられると、
そういえばあれがそうだったのかなと思う
症状というか小さな思い当たることが
いくつかありました。
また別の機会に、この期間のことは
ゆっくり書いていけたらと思います。
余命宣告されるのかと思って怖かったけど、
今はまだそういう時期ではないとのこと。
後どれぐらい生きられるのだろうと思って、
怖くて検索することもできず
まだあまり考えないように過ごしています。
一人暮らしだから、動けなくなった時のことも
（実家に戻るかなど）、考えておきましょうとも
言われてますが。。。
だけど、毎日少しずつ復活してきて
今はなるようにしかならないし
残された時間は短いかもしれないけど
奇跡が起こって何年も生きられるかもしれない。
できるだけ楽しく過ごしていこうと思っています。
そう思えたのは同病のお友達Mちゃんの
おかげでもあります
いつも話を聞いてもらって、理解してくれて、
私よりずっと病気について詳しい
Mちゃんからもらったお守りたち
夢の国にはインできていないけど、
ボンヴォヤージュには2度ほど行きました。
（Mちゃんに予約してもらって、、感謝
）
そこで買った新エリアのグッズ、
パスケースにお守りをつけました。
このパスケース、いつものように
これ欲しいって思ったわけじゃないけど、
さりげなく新しい4施設にまつわるキャラクターが
デザインされているらしく、
明るくて
キラキラした感じが夢があるな～と思い、
定期入れとして使っています
こんなこんなで、コロナ禍で
心配はありますが、闘病がんばります。
治療方針が決まったら、また報告します